ハサミの知識
DSC_0043_edited_edited.jpg

裏スキ(ヒゾコ)

​裏スキ(ヒゾコ)は、大切な役割を持っています。

ハサミの良し悪しは

ほぼここで決まります。

良いソリを作るのも、ここで決まります。

また、何度も研いでも 

くたびれない骨組みも、ここで作られます。

ハサミの力(刃の強度)も、ここで決まります。

また、裏スキが良いとスムーズな開閉ができます。

裏スキが良いと髪の毛がハサミに入って行く感覚を感じる事が出来ます。

2枚の刃が1点で触れ合ったあと、刃は裏スキに入っていきます。

裏刃で2枚の刃が触れ合う場所は刃線と触点のみで(赤線部分)

峰側の裏刃は接触しません。

これは裏スキのヒネリがが関係しています。

砥石に裏刃をあてるとこの部分が研磨されますが、

悪い裏スキや押切をしている方は触点変形していて

ハサミが少し壊れた状態になっています。

押切がハサミにあたえる影響は大きいです。

裏スキが悪い物もこの赤い部分がおかしくなってしまい

ハサミが切れないという現象がでます。

これを修正するのですが、ちょっとしたコツと技が必要になります。

研ぎ師によってこれは触るなと言う人もいますが、

前ページでも説明しましたが、

原理やハサミの知識がないととても難しいからです。​

裏スキの見方は、蛍光灯の光をハサミに反射させると、ラインがでます。

このラインが刃線に沿って、ミネ側へ抜けるものが良いです。

機械で裏スキを行っている物は、ラインが真っすぐです。

ラインがよれていたり、ミネ側へ早く抜けるものは悪いです。

悪い物は裏刃でカバーをするのが良いです。​​

良い物は刃線と同じもしくは、刃先の方の光が踏ん張る様に残るもの

また、裏スキはメーカーによって深さが違います。

溝が深ければ何度 研いでも長持ちするハサミですが

溝が浅いと裏刃が広がるのであまり研磨ができなくなりますので、

調整を頻繁に行う必要があります。

鈍角と鋭角

​鈍角と鋭角の刃付けではどのような利点があるか?

鈍角は力が強く永切れがする

鋭角はサックっと切れは良いが永切れがしない

上の図のように緑のカエリ刃が黒の方へめくれやすくなります。

これをセーム革でで戻すと永切れは変わってきます。

とても重要です。

鈍角と鋭角は使い分けがとても重要になります。

鋭角ではサクサク切れるのでその用途

鈍角は鋭角に比べて逃げやすくなります。

ですが、永切れはします。

最終的な仕上げでも、刃の付け方(糸刃)で全く違う切れ方に変わります。

希望なしで刃を付けるのと、希望の刃付けにするのでは、

別の意味での仕事になります。

本当にビックリする位変わります。同じハサミとは思えない位です。

これが、表の刃付けで大切な部分になり、研ぎ師によって個性がでます。

当店の個性とは、お客様の仕事の仕方を理解してご意見を聞くことです。

ハサミは使い方によって研ぎ方を変えます。

一般的な研ぎ方として鈍角でも鋭角でも刃の先は鋭くとがらせるが良いと言う研ぎ師が多いですが

刃の先がとがればとがるほどカエリ刃がすぐにでて、

切れなくなるといった現象がでます。

多く技術様が体験していると思いますが、

研ぎたては良く切れるのだが、

2週間もたてば切れがいきなり切れが悪くなった・・・

という現象は、これが原因です。

では、どうすれば良く切れ永切れする刃をつくれるか?

デリケートな刃先には少し優しい加工をしてあげればいいのです。

刃の先を守る。すると、カエリ刃がでづらくなります。

それに加えて、セーム革でカエリ刃をもどす。

研ぎ師の努力だけでは、永切れする刃は作れません。(ネジの調節も含め)

 

技術様のハサミを大切にする気持ちがあってそこに永切れする刃が存在するのです。

研ぎ師の刃付けと技術様との共同作業ということです。

お手入れをする大切さをご理解いただきたく思います。

それが、快適にカットすることへの近道になります。​​